大川小津波訴訟 元校長ら10月から証人尋問 生存教諭の可否は留保

 東日本大震災の津波で児童ら84人が犠牲になった宮城県の石巻市立大川小の児童23人の遺族が市と県に損害賠償を求めた訴訟の控訴審第5回口頭弁論が14日、仙台高裁(小川浩裁判長)であり、当時の元校長や、大川小より海から遠かった大川中の元教頭ら4人の証人尋問と日程が決まり、次回期日の来月12日から行われることになった。遺族側が求める唯一生き残った男性教諭の証人尋問の可否について、裁判所は判断を留保した。

 証人尋問では、地震発生前の備えが焦点となるとみられる。閉廷後の進行協議では、来月4日に裁判官が行う大川小周辺の現地視察についての大枠も決まった。

 生存した教諭をめぐっては、市と県側は、精神的な疾患を理由に証人尋問には耐えられないとし、書面での尋問を求めていた。一方で遺族側は、反対尋問が行われない書面尋問では市と県により事実がゆがめられる可能性があるとして、あくまでも証人尋問を求めていた。

 また、遺族側は疾病で法廷での証言が不可能なら、カルテや投薬記録を提出するよう求めた。市と県側は「医療的、人道的に証人尋問を許可することはできない」とする主治医の意見書を提出、応じなかった。

 遺族の一人、佐藤和隆さん(50)は閉廷後の会見で、「教諭を隠したい、出したくないという思いが感じられる。カルテなどが出せないなら疑念が増す」と語った。

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