警察と検察の“不誠実”断罪 信号取り締まり逮捕めぐり空前の逆転劇

 男性は道交法違反(信号無視)容疑で現行犯逮捕された。孫の家に届け物をした帰り道、まさか手錠をかけられる事態になるとは想像もしていなかった。大阪府警枚方署に連行され、その日の夜には釈放された。ただカメラで確認できない以上、取り調べでも否認を貫いた。

 ここまで抵抗した理由は、20代のころに体験した取り締まりの苦い記憶が影響している。横の車がスピード違反をしたのに、誤って男性が摘発されたのだ。結果的に反則切符は切られなかったが、後日の免許更新の際、違反者講習を受けさせられた。そのときの速度超過が記録されていた。男性の脳裏に「警官に安易に免許証を渡してはならない」という教訓が刻み込まれたという。

 28年1月、書類送検された男性は、大阪地検でも否認を維持したが、2度目の聴取で状況が一変した。検察官が差し出したパソコンの画面に、赤信号を通過する男性の車が映し出されたからだ。車載カメラの映像だった。男性は翻意し、反則金の納付を申し出た。しかし検察官の返答は「それはできない」。男性は4月に略式起訴され、枚方簡裁で罰金9千円を言い渡された。

 男性のように、信号無視で刑事処分が科されるのは異例のケースだ。通常、信号無視や一時不停止、携帯電話の使用など膨大な数に上る比較的軽微な交通違反は反則切符で処理される。青色の告知書は一般に青切符と呼ばれる。一方、無免許や酒酔い運転など悪質な行為には交通切符(通称・赤切符)を示し、刑事事件として処理している。男性の場合は青切符だが、反則通告を拒否したとみなされ、道交法に基づき例外的に起訴された。

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