“金属バット男”の殺意に立ち向かった通行人の勇気 「私にも娘がいる…」

【衝撃事件の核心】

 買い物客や帰宅する人でごった返す巨大ターミナル駅が、一瞬にして悲鳴に包まれた。大阪市天王寺区のJR天王寺駅の駅ビルで11月、男が突然金属バットを振り回し、6歳の女児ら2人が重軽傷を負った。傷害容疑で男を現行犯逮捕した大阪府警は、バットで頭部を狙ったことから殺意があったと判断、殺人未遂容疑で送検した。男は「(被害者と)目が合っておれをにらんできた」と供述しており、大阪地検は精神障害の疑いがあるとして男を鑑定留置とし、刑事責任能力の有無を調べている。不特定多数が集まる場所で起きた「無差別テロ」に等しい凶行。さらなる大惨事につながる恐れもあったが、防いだのは男を取り押さえた通行人の「勇気」だった。

 まるで野球スイング…響く金属音

 「カーン、カーン」

 11月2日午後5時20分ごろ、取引先に向かうため同駅を利用していた会社員、馬場秀樹さん(55)=大阪市阿倍野区=と同僚の柳瀬一成さん(41)=大阪府大阪狭山市=は、駅ビルの地下から1階に向かうエスカレーターで、乾いた金属音を聞いた。

 不審に思いながら1階に着くと、金属バットを振り回すスキンヘッドの男の姿が目に入った。男は野球のスイングのようにバットを水平に振り、近くにいた女児(6)の頭部を殴打した。

 「女の子が殺されてしまう」

 馬場さんはとっさに、バットを持つ男の腕をめがけて飛びかかった。腕を捕まえると、近くいた別の男性がラグビーのタックルのように男を倒し、柳瀬さんらも加勢して取り押さえた。

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