震災復興を「食い物」 不正に利益分け合う

 東日本大震災で東北地方の道路は、路面が陥没したり、ひびが入ったりするなど大きな被害を受けた。道路は被災地の復興を支える重要な動脈だが、その復旧工事の裏で、談合が繰り返され、利益を不正に分け合っていた疑いが強まった。間もなく震災から5年の節目を迎えるが、復興を「食い物」にした事件に、また捜査のメスが入る。

 「悪いことをしたと言われればそうかもしれないが、高速道の補修でもうけは出ず、うまみはない」

 業界関係者の一人は吐き捨てるように言う。新設の道路建設と異なり、舗装補修などの工事は現場が各地に点在するため、人繰りや材料の運搬に手間や費用がかかり、「割に合わない」仕事だという。

 震災直後は資材や人件費が高騰し、公共工事を落札しても赤字になる恐れがあるため、入札参加者が足りず落札者が決まらない入札不調も相次いだ。

 このため、談合の背景には「震災復興に寄与する工事で、緊急性が高くやむを得ない」(道路舗装会社幹部)との“大義名分”も垣間見える。だが、公正取引委員会関係者は「緊急性の高い事業は随意契約で対応していたが、今回の工事はそうではない。つまり言い訳だ」と反論する。

 もう一つの背景と指摘されるのが、道路業界特有の事情だ。舗装の材料となるアスファルトは固まりやすく長距離を運べない。このため、アスファルトを製造する自社の工場「アスファルトプラント」が現場から離れている場合、他社のプラントからアスファルトを購入しなければならない。

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