原発事故・水産物禁輸 内陸県なのに…韓国、希薄な根拠で水産物規制

 東京電力福島第1原発事故から間もなく5年を迎えるが、外国による日本の農水産物の輸入禁止が続いている。いずれも科学的根拠が希薄で、水産物を輸出していない内陸県が輸入禁止リストに含まれている不可解なケースもある。交渉に携わる政府関係者は「規制の根拠が不明で、明確な理由を問いただしてもなしのつぶてだ」と膠着(こうちゃく)状態にあることを打ち明けた。

 「日本人も食べないものをなぜ韓国人が食べなければならないのか」「日本の水産物を輸入すれば、すべての水産物を食べない」

 韓国のインターネット上の掲示板ではこのような容赦ない言葉が並ぶ。韓国政府もこれに呼応するように、かたくなな態度を示してきた。

 日本が世界貿易機関(WTO)に提訴している韓国は、水産物を輸出していない内陸県についても名指しで輸入禁止を継続している。禁止リストに入る栃木県は「なぜ名前が挙がったのか分からない。実害はないが、その他の作物に及ばないか、風評被害が心配だ」(農政部生産振興課)と不安視する。

 福島県産の農水産物は徐々に回復傾向にあり、福島沖の漁業では試験操業が拡大。コメの全量全袋検査(約1千万袋)でも、放射性物質の基準値超えは一切出ていない。にもかかわらず、今も日本産の輸入禁止を続けているのは、韓国以外に、中国、香港、マカオ、台湾、シンガポール、ブルネイ、仏領ニューカレドニア、ロシアの8カ国・地域に及ぶ。

 禁止品目が最も多岐にわたっている中国では、福島のほか東京、埼玉、千葉の首都圏を含む10都県で全ての食品と飼料の輸入禁止が続いている。農林水産省などが産経新聞に公開した文書によると、それ以外の道府県の「野菜・果実、乳、茶葉など」については、放射性物質検査証明書の添付による輸入が認められているものの、証明書の様式が合意されておらず、実質上、全都道府県で輸入禁止が続いている。

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