和解直後も不正継続…懲りない化血研の偽装体質 「安定供給」考え厳罰下せぬ厚労省のジレンマも

 一方、化血研は同じ8年、薬害エイズ訴訟の原告らと和解した際、こんな「確認書」を交わしていた。

 「製薬会社は安全な医薬品を消費者に供給する義務があることを改めて深く自覚し、最大の努力を重ねることを確約する」-。

 「誓い」は守られることなかった。10年には新たに就任した製造部門の課長に対し、部長が「このままでは(国の調査で)見せられん。しばらくは見せられる帳簿で対応しよう」と指示。今年5月まで不正は継続された。

 三者委の調査報告書では「代替が困難なものが多いことから『つぶれない』という思いがあるとすれば、『おごり』以外の何者でもない」と厳しい口調で非難した。患者を裏切り続けてきた化血研の「罪」は重い。

 ■性悪説に基づいた調査を

 厚生労働省は今年5~12月、計3回にわたり化血研に対する立ち入り検査を実施。行政処分のほか、刑事告発も検討している。

 医薬品医療機器法(旧薬事法)上の行政処分は、主に(1)製造販売許可の取り消し(2)業務停止命令(3)業務改善命令-などがある。また同法では、非承認の医薬品の製造・販売には3年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金(法人は1億円以下の罰金)、国の調査に対する虚偽説明には個人・法人ともに50万円以下の罰金という罰則もある。

 このうち行政処分は(2)の業務停止命令とする方針だが、隠蔽工作により欺かれ続けてきた厚労省は、化血研の「罪」に対しては難しい判断を迫られる。「現在も血液製剤7種とワクチン3種の出荷が止まっており、処分によっては供給に影響が出かねない」(厚労省担当者)ためだ。

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