【関西の議論】「うちの子を殺す気か」看護師全員が一斉辞職に追い込まれた理由

 鳥取県立鳥取養護学校(鳥取市)で看護師6人全員が5月下旬に一斉辞職し、医療的ケアが必要な児童・生徒の一部が一時、登校できなくなる事態が起きた。県教委などによると、保護者からケアの遅れに対し繰り返し批判を受けたことが理由で、「うちの子を殺す気か」などと強い調子で迫られることもあったという。背景には要員不足の事情があり、県教委も人員配置や学校側のフォロー体制の不備を認め、改善に乗り出したが、保護者との和解はできていない。児童・生徒を積極的に受け入れ、特別支援学校の体制が「全国でも先進的」と胸を張る同県だが、思わぬトラブルで現場のあり方が見直されることとなった。

登校できない

 県教委などによると、同校の30~50代の女性の看護師6人全員が5月22日までに、一斉に辞職を申し出た。6人はいずれも非常勤で、後に復職を申し出た1人を除き、その後は出勤していない。

 同校は小学部~高等部に児童・生徒76人が在籍。うち、33人がチューブでの栄養補給やたんの吸引などの医療的ケアを必要とする。学校側は週明けの25日を臨時休校としたが、その後は付き添いの保護者がいる子供を除く10人程度が登校できない事態になった。

 同校では、1日あたり看護師5人が専用ルームでケアを担当していた。看護師の人数や配置については国などによる明確な基準はなく、学校側がケアが必要な児童・生徒数に対し適正とみられる人数を配置してきた。

 ところが、ケアが必要な児童・生徒は平成23年度が18人だったのに対し、今年度は1・8倍に増加。看護師の業務量が増えたことでケアを行う時間が遅れるなどし、4月ごろから一部の保護者から不満の声が上がるようになった。

注目まとめ

    アクセスランキング

    もっと見る

    ピックアップ

      どう思う?

      「どう思う?」一覧