裁判員裁判6年、まだ足らない「社会の支援」と「経験の共有」

 ベテラン刑事裁判官は「これまでも数カ月にわたる審理が複数あったが、選任された裁判員が次々に参加できなくなり、裁判を進行できなくなったケースは今まで出ていない。大きな負担だが、選ばれた国民の方に頑張ってもらうしかない」としている。さらに「裁判官や検察官、弁護士が論点を分かりやすく整理するなど、期間短縮に向けた努力をしていくべきだろう」とみる。

■経験共有の機会増やせ

 裁判員制度に関する情報発信を行う「裁判員ネット」代表理事の大城聡弁護士は、「裁判員経験者が経験を語る場が少ないのが、アンケート結果に表れているのではないか。守秘義務を意識する余り、経験者が勤務先や家庭など社会の中で経験を語ることに抵抗感があり、何が行われているかを共有する機会がほとんどない」と指摘する。また、裁判員経験者の周辺にいる未経験者も、守秘義務が壁になり内容を聞くことを避ける傾向にあるという。

 大城弁護士は、「制度開始以来、5万人以上が裁判員を経験しながら、内容を社会に還元することができていない。そのせいで、未経験者にとっては、裁判員が何をしているのか不明な点が多く、制度との距離を感じる要因になっているのではないか。経験を社会で共有する仕組みが必要だ」とみている。

 また、長期審理に対する負担についても、「区分審理は問題点が多く、限られた事件でしか採用できないだろう。裁判所が審理の短期化を努力するのはもちろんだが、長期審理に参加する裁判員を社会的にバックアップすることが必要だ。そのためには勤務先や家族の理解が重要で、やはり経験の共有はカギになる」としている。

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