ネット銀不正送金 新種ウイルスに8万2千台が感染 警視庁が対策に乗り出す

 インターネットバンキングの不正送金被害をもたらす新種のウイルスに、少なくとも国内外のパソコン端末約8万2千台が感染していたことが警視庁の調べでわかった。感染端末の半数超が国内の端末で、日本を主な標的としたウイルスとみられる。従来型のウイルス対策が進み、被害は昨年下半期から減少傾向にあるが、警視庁は10日、被害撲滅に向け新種ウイルスの独自の対策に乗り出した。

 警察庁によると、ネットバンキングの不正送金被害は年々増加し、昨年1年間の被害は1876件、約29億1千万円と過去最悪を記録。しかし月別の統計をみると、増減はあるものの、昨年1月(284件、約4億100万円)をピークに減少傾向をたどり始めた。

 だが、対策が進んでいない新種ウイルスも現れた。警視庁が対策を講じるのは「VAWTRAK(ボートラック)」などと呼ばれる。感染すると、MITB(マン・イン・ザ・ブラウザー)という攻撃を受け、ネットバンキングのサイトでIDなどを入力すると知らないうちに現金が不正送金されてしまう。昨年5月以降目立ち始めた。

 警視庁は昨夏以降、同ウイルスによって送金被害にあった石川県の30代女性のパソコンを解析し、ウイルスの指令役のサーバーの監視に成功。結果、今年2~3月の1カ月で感染端末は少なくとも国内外で約8万2千台、うち約4万4千台は日本の端末と判明した。

 警視庁は10日から全国300社以上のプロバイダーに、感染端末のIPアドレス情報の提供を始めた。さらに、このウイルスが機能しないようにするシステムを民間企業と共同開発。4月に運用を始め、一部で無力化が確認された。感染端末の残る約3万8千台は数十カ国にあり、国際刑事警察機構(ICPO)を通じて各国の捜査機関に情報を発信した。

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