担当者も「知識不足を痛感」…B787根本原因「結局不明」:イザ!

2014.10.29 08:00

担当者も「知識不足を痛感」…B787根本原因「結局不明」

 そこで着目したのは、今回を含め国内外でいずれも1月の寒冷期に発生した計3件の同様のトラブルだ。

 低温下では電解液に溶けていたリチウムイオンがとげ状のリチウム金属になる「析(せき)出(しゅつ)」という現象が起きやすく、プラス極とマイナス極を隔てる膜を突き破ってショートした可能性があるという。

 しかし、「低温下での析出発生説」の前には立証の困難さが壁となって立ちはだかった。

 リチウムイオン電池を製造した蓄電池大手GSユアサ(京都市)による実験では、析出は再現されず、同様のバッテリートラブルを調査中の米運輸安全委員会(NTSB)による実験では、析出現象を確認できたものの、その中にリチウム金属成分を検出することはできなかった。

◆金属片混入説も検討

 運輸安全委は電池内でのショートについて、最終的に低温下での析出現象や瞬間的な高電圧などによる複合要因で発生した可能性がある-との見方を示すにとどめた。

 この結論に行きつくまでに、運輸安全委は複数のシナリオを検討している。その中で注目したのが「金属片混入説」だ。

 リチウムイオン電池の製造過程で、小さな金属片が混入し、プラス極とマイナス極とを隔てる膜に付着したり突き破るなどしてショートが起きた-という見立てだ。

 今年1月、成田空港に駐機中の日本航空B787型機のバッテリーから煙が出たトラブルでは、国交省の調査で、リチウムイオン電池内の膜に金属片が付着していたことが判明した。

 またボーイング社が外部機関に依頼した新品のリチウムイオン電池の分解調査でも、製造時に混入した可能性のある金属片が膜の上で確認されている。

 しかし、GSユアサは運輸安全委に対し、製造工程では異物混入対策を徹底させており、「金属片が混入する可能性はない」としている。逆に、バッテリートラブルの調査過程で、電池を分解した際に電池ケースなどが細かい金属片になって膜に付着した可能性が高いとの見解を示したのだ。

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