「空き家はカネになる」…食い物にされた100億円補助事業の甘さ

老朽化した大阪市内の空き家の強制撤去をはじめる作業員。ガラス窓は割れ、土壁が崩れかけていた。こうした空き家は社会問題化し、国は補助金事業を展開するが、それがいとも簡単に不正受給されるという事件が大阪で発覚した

老朽化した大阪市内の空き家の強制撤去をはじめる作業員。ガラス窓は割れ、土壁が崩れかけていた。こうした空き家は社会問題化し、国は補助金事業を展開するが、それがいとも簡単に不正受給されるという事件が大阪で発覚した

【衝撃事件の核心】

 住宅総数に占める「空き家」の数を表す空き家率が13%に達するなど社会問題化する空き家。高齢化や過疎化を背景に次々と生まれ、管理が行き届かず老朽化して放置され、倒壊したり火災が発生したりする恐れもあるという。空き家問題の解消は自治体などにとって切実だが、この対策に絡んだ事件が大阪で発覚した。

 空き家解消を促進するために設けられた国の補助金をめぐり、人が住んでいるのに空き家と偽って不正受給したとして5~6月、住宅コンサルタント会社社員の男(50)が大阪府警に逮捕された。毎年度100億円もの巨額を計上する補助金制度にもかかわらずチェック体制が甘く、申請書に添付する空き家の写真を使い回すという単純な手口で、少なくとも計約2200万円の補助金がだまし取られたという。

 15部屋申請も実際の空き部屋は1室

 大阪市城東区のとあるアパート。8部屋の間取りは1DK、2K、3DKとさまざまだが、いずれも空き部屋だとして、補助金の申請書が提出された。

 申請書にはそれぞれ、リビングとキッチンという組み合わせで写真が2枚ずつ添付されていた。しかし、目をこらしてみると、角度や光の当たり方こそ違え、部屋の特徴は酷似していた。それもそのはず、同じ部屋で撮影した写真を使い回していたのだから-。

 「空き部屋が1つなのに空き部屋を水増しして補助金を受け取っている」。国土交通省にこんな内容の「告発メール」が届いたのは、昨年4月のこと。

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