橋下氏の「戸籍」を8回覗いた大阪市職員の“目的”…薄氷の管理実態:イザ!

2014.3.3 10:36

橋下氏の「戸籍」を8回覗いた大阪市職員の“目的”…薄氷の管理実態

 戸籍という「個人情報の塊」が職員たちの好奇の目にさらされていた。大阪市の戸籍事務担当の職員2人が情報システムに不正にアクセスし、橋下徹前市長や著名人らの戸籍を「興味本位」でのぞき見していたという不祥事が2月、明らかになった。不正は長期間見過ごされてきたが、橋下氏の周辺で起きた「異変」がきっかけで暴かれた。大阪市に本籍がある戸籍は約116万7千件に上るが、今回明らかになった職員の低いモラルは個人情報の流出、犯罪誘発のリスクをはらんでいる。今のところ情報流出は確認されていないが、薄氷の管理体制に背筋が凍る。

■「週刊誌記者がうろうろしている」

 平成23年3月11日。東日本大震災が起きる約15分前、大正区役所の2階で戸籍事務担当の男性職員(30)は年季の入った事務机に座り、戸籍情報システムにアクセスできる端末のキーボードを手慣れた手つきでたたいた。

 《橋下徹》。地域政党「大阪維新の会」を率い、統一地方選に候補者たちを送りだそうとしていた当時の大阪府知事の名前を打ち込み、氏名や生年月日、家族構成などの戸籍情報を画面に映し出した。

 閲覧時間は2分12秒。業務で閲覧した場合は通常、証明書の発行の操作などに移るが、職員は閲覧のみで画面を閉じた。不正アクセスは戸籍情報システムのサーバーにしっかり記録されたものの、その他の膨大な記録に埋没。机を並べる同僚3人も、職員の普段と変わらぬ様子に何も気づくことはなかった。

 それを約2年後、白日の下にさらしたのは橋下氏の“直感”だった。「母方の先祖のところの地域に週刊誌記者がうろうろしている。戸籍を見られているのではないか」と思い、今年2月に自身の戸籍に関する証明書の発行履歴について市に開示請求。市が履歴を調べる過程で、この職員が23年3月11日から同11月15日にかけて8回にもわたり、橋下氏の戸籍情報をのぞき見していたことが判明した。

 職員は全区に戸籍情報システムの導入が完了した22年8月ごろから、日常的に不正アクセス。判明分だけでも橋下氏以外に著名人13人、同僚職員52人を検索。うち市内に本籍がある著名人1人分を閲覧した。

 「ずっと事務処理しているので、不審な行動かどうかなんて見ただけでは分からなかった」。毎朝9時から午後5時半まで一緒に机を並べて仕事していた同僚はこう打ち明けた。

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