「富士そば」は食べ歩きの原点! 世にも不思議な食べ物だった「コロッケそば」

【こだわりの極意】

 あれは中学生の時のことだ。当時、野球部だった僕は部活帰り、今まで嗅いだことのない、体の奥の奥から何かを引きずり出されるような香りを体験した。

 それが「富士そば」だった。たまらず引き寄せられ、みんなでお金を出し合い食べた。

 当時の僕には、世にも不思議な食べ物だったコロッケそば! なぜ、そばの上にコロッケが乗ってるんだろう。でも、ベラボウにうまい! とにかくあの味が原点だ。

 まず汁だけをみんなでフゥフゥいいながら、すする。

 「おばちゃん! 汁だけちょうだい!」

 そんな僕らの言葉に「まったく、もう~。今日だけだよ!」と言いながらもおばちゃんは汁を足してくれた。

 それをまた順番にすすりあう。そして、ここからがサバイバルだ。誰がどれだけそばを食べ、そしてコロッケをかじるか。戦いだった。

 それこそが僕の原点。食べ歩きの最初の一歩だったのかもしれない。

 そのあと、アメリカから来たフライドチキンやらハンバーガーに浮気もしたが、やはり富士そばが原点だ。

 いまだに食べ続け、迷ったら富士そばに行く。麺も汁もかなりの進化を遂げ、店ごとに味わいが違うように感じる。これからも、通い続けることだろう。

 時が過ぎ、今では富士そばへ行けば、きつねそばにわかめトッピングに変わったが、久々に食べたコロッケそば。やっぱりうまかった!

 ■高嶋政宏(たかしま・まさひろ) 1965年10月29日生まれ。東京都出身。87年、映画「トットチャンネル」で俳優デビュー。昨年出版した「変態紳士」(ぶんか社)も大ヒットした。CS旅チャンネルで「高嶋政宏の旅番長“激動!ベトナム縦断編”」が放送中。現在「かぐや様は告らせたい」も公開中。

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