西城秀樹さん葬儀 野口五郎さんの弔辞全文(下)「お前のラブソング 天国で極めてくれ」

 ■目指す方向一緒だった

 デビューしてアイドルと呼ばれるようになった僕らは、次はその席を後輩に譲らなければ、そして次の高みを目指さなければ、と考えていた。その方向が、僕らは一緒だった。同じ方向を目指していた。秀樹は決して、アクション歌手ではないし、本物のラブソングを届ける歌手を目指していたことを、僕は知っている。1993年、初めての「ふたりのビッグショー」で共演。一緒に歌った「アンチェインド・メロディー」「スモーク・ゲッツ・イン・ユア・アイズ」。ハーモニーの高いパートは僕で、最後に格好良く決めるのは秀樹。でも僕は、そんな秀樹が大好きだった。本当に格好良いと思っていた。

 お互い独身時代が長かったから何でも話すようになって、ゴルフも一緒に行った。君が車で迎えに来てくれて、僕がおにぎりとみそ汁を用意して「夫婦か!」なんて言いあって。僕が「秀樹、結婚するから」って言ったときの驚いた顔を忘れない。2月に僕が披露宴をしたときに「おめでとう」と君に握手を求められた瞬間、僕にはすぐ分かったよ。あ、こいつ結婚するって。案の定、5カ月後に美紀さんと結婚した。

 秋も深まったある日、妻が「もしかして子どもができたかも」と言いだし、驚いた僕は「明日病院に行って検査してもらおう」と2人で話した。そんなとき、君から突然の電話。「五郎、まだ誰にも言ってないんだけど、俺、子どもができた」。生まれてみれば同じ女の子で君んちが6月3日、僕んちが6月5日。マジかこれ。当然、娘たちの初節句、ひな祭りも一緒に祝ったよね。

 3年前、秀樹の還暦パーティーに出て、サプライズでケーキを持ってステージに出させていただいたときの秀樹のびっくりした顔、今でも忘れられません。

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