幻想的な舞台に映る愛の真実、東京二期会がオペラ「イル・トロバトーレ」上演 2月17日から4公演

 伊作曲家、ベルディ(1813~1901年)のオペラ「イル・トロバトーレ」が17日から東京文化会館(東京都台東区)で上演される。東京二期会がイタリアの名門、パルマ王立歌劇場、ベネチアのフェニーチェ劇場と提携した舞台は、漆黒の空間に詩的な興趣を運ぶ光を大胆に配し、兄弟と知らずに1人の女性を争う人間模様とともに、わが子と母を失った老女の悲しい愛の物語がつづられていく。

 「イル・トロバトーレ」は1853年、ベルディ自身の指揮によってローマのアポロ劇場で初演された。イタリア統一の機運が盛り上がる中、祖国への思いを歌い上げる合唱曲を織り込んだオペラ「ナブッコ」で人気作曲家となり、音楽とドラマの緊密な融合を探究して次々と傑作を生んだベルディが「リゴレット」「椿姫」と同時期に手がけ、熱狂的な成功を収めている。

 物語の舞台は15世紀のスペイン。トロバトーレと呼ばれる吟遊詩人は、伯爵家の女官と相思相愛の関係にあり、伯爵もまた女官に思いを寄せている。遠い昔、流浪の老女は伯爵家によって無実の母が処刑され、報復にと火にくべたのは伯爵家の子ではなく、わが子だった。老女は伯爵の弟をさらい、息子として育てるが、2人は伯爵に捕らえられる。女官は命と引き換えに恋人を救おうとしたが、伯爵が実の弟と知らずに処刑すると、老女は復讐が果たされたと声を上げ、幕となる。

 「昔、あるところに美しい娘がおりました。血を分けた兄弟と知らず、一つの愛をめぐって争いが起こりました。そこには老女の悲しい思いが隠されていました…。こんな口上で始まるおとぎ話のようなオペラです。ベルディはストーリーをただ追うのではなく、登場人物を取り巻く運命、物語に充満している空気、目には見えないけれども感じられるミステリアスなものを音楽につづっています」

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