【話の肖像画】「アナ雪」翻訳の難しさ…「ありのまま」主人公に思い重ねて:イザ!

2014.11.17 17:00

【話の肖像画】「アナ雪」翻訳の難しさ…「ありのまま」主人公に思い重ねて

 <中でも、「Let It Go」への制作サイドの思い入れは特別だったという>

 「作品でしか成立しない歌ではなく、単独でも成立するような歌詞がほしい」というようなオーダーがありました。アニメの中の特別なお姫さまだけじゃなくて、今の普通の若い女性たちが気持ちを重ねられるような歌詞を、と。

 私も作品を初めて見たとき、自分を抑えて生きている主人公のエルサはすごくかわいそうだな、と思ったんですよね。要するに、優等生的に育って、自分のやりたいことをやれなかった人が、抑えていた個性を出して「そのままでいいんだよ」というイメージが伝わればいいなと思って。それで、「ありのままの」という言葉が出てきました。

 <エルサへの気持ちは、自身の人生を振り返って重ねる思いでもあった>

 私自身、途中まではすごく優等生的な人生でした。良い学校を出て、良い会社に就職して。若い頃ってどうしても親や世間の価値観に左右されてしまうでしょう。そういう人って、程度の差はあるけどたくさんいるんだと思います。あんまり個性を強く出していいという世の中ではないですから。結果的には、それが多くの共感につながったのだと思います。(聞き手 緒方優子)

 【プロフィル】高橋知伽江(たかはし・ちかえ) 昭和31年、新潟市生まれ。東京外国語大学外国語学部ロシア語学科卒業後、大手シンクタンクを経て劇団四季に入団。演出助手からスタートし、脚本、翻訳の修業を積む。一度離れて新神戸オリエンタル劇場などでも仕事をこなし、平成9年からフリーに。演劇台本の執筆、翻訳、訳詞を手がける。23年に「出番を待ちながら」「秘密はうたう」で第4回小田島雄志・翻訳戯曲賞受賞。25年4月から水戸芸術館演劇部門芸術監督。水戸市在住。

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