苦境の外食、関西は安堵も首都圏は青息吐息

 新型コロナウイルス特別措置法に基づく緊急事態宣言の一部解除が26日に決まったことを受け、苦境が続く外食産業では、営業時間短縮要請が緩和される関西圏などから安堵の声が上がった。一方、緊急事態宣言が継続する首都圏の飲食店を中心に悲痛な訴えが相次いでいるが、関連業界で独自技術を活用し生き残りを図る動きも出てきている。

 大阪市内に本社を持つ居酒屋チェーン大手の鳥貴族は、関西圏の時短営業の緩和について「居酒屋にとってピークタイム(午後6~10時)の営業時間が増えることはプラスに働く」と歓迎する。関西圏では、時短要請を大阪市内の飲食店に限定したり、兵庫県で3月7日までは1時間延長して午後9時までの営業としたりと、自治体ごとに異なる対応も検討されている。同社は「エリアを統括するマネジャーが対応しているため混乱はしない」としている。

 ワタミは、関西3府県で休業中の「ミライザカ」など直営の居酒屋26店舗の営業を3月1日から順次再開する。約70店舗を展開する関西では3府県の居酒屋業態のみ休業し、ほかは時短営業で対応してきたが、宣言解除について「感染状況やリスクに注意しながらだが、人の気持ちも和らぐし、外へ出やすくなる」と期待する。

 一方で、緊急事態宣言が継続する首都圏の1都3県では約160店舗を出店する串カツ専門店「串カツ田中」は、1月の緊急事態宣言の再発令を受け直営店をほぼ休業にしたが、「店を開けないと取引業者や生産者も厳しい」として、2月に入り徐々に時短営業に切り替えて苦境をしのいでいる。客からも「いつ開くのか」といった問い合わせが少なくないという。緊急事態宣言の解除に向けては「期待感はある。自治体要請に応じた営業を続ける」として、関西圏などと同様に独自の時短要請といった措置には従う考えだ。

 飲食店での時短営業が続くことで、飲食店に食材や物資を供給する関連事業者も苦戦が続くが、独自技術でカバーする動きもある。

 布おしぼりレンタルのFSX(東京都国立市)は、平成21年に開発した使い捨ての抗菌紙おしぼりに、医療機関や介護施設などからの注文が殺到。紙おしぼりの販売は前年同月ベースで上回る。会社全体の売上高も令和2年9月以降は前年同月を上回っており、紙おしぼりが布おしぼりの落ち込みを補っている。

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