ANAなど大手続々解禁で気になる「副業の利点と欠点」教えます 森永卓郎氏「報酬少なくても好きなこと優先に」

 全日本空輸(ANA)が2021年にも全従業員1万5000人を対象に副業範囲を拡大する方針を固めるなど、従業員の副業を認める企業が増えている。うまく活用できれば収入アップにもつながるが、労働時間が増えて心身への負担が大きくなるリスクもある。新しい働き方にどう対応すればよいのか。

 ANAでは副業範囲の拡大が実現すれば、勤務時間外にパートやアルバイトなどで他社とも雇用契約を結べるようになる。

 みずほフィナンシャルグループやキリンホールディングスなど大手企業が続々と従業員の副業解禁に動いている。

 一方、IT大手のヤフーが今年7月に100人の副業人材を募集、生活用品大手のライオンやユニリーバ・ジャパンも人材募集に乗り出した。

 多様な働き方などを調査するツナグ働き方研究所の平賀充記所長は「大きく分けると、副業には配達員やテープ起こしなど比較的簡単な仕事を繰り返す労働と、持っているスキルを生かす頭脳型の労働がある。IT企業では競合企業の社員も含め人材を募集する動きもある」と解説する。

 経済アナリストの森永卓郎氏は、以前から副業解禁を提唱していたという。「在籍する会社での処遇について副業を通して客観的に見直す機会になる」と語る。

 副業の選び方について森永氏は、「本業があるうちは報酬が少なくても好きなことを優先して副業にすべきだ。私自身、収入がギリギリだったことから副業で原稿を書くようになり、それがきっかけでテレビに出演など仕事が増えた。『楽しくないけど稼ぐため』では単純に労働時間が増えるだけだ」と指摘する。

 改正された労働者災害補償保険法が9月から施行され、複数の会社等で雇用されている場合、労働災害の認定は全ての労働時間、ストレスなどを総合的に判断するようになった。労災保険の給付額も全ての勤務先の賃金額を元に決定される。

 前出の平賀氏は「副業で重要なのは、自己管理だ。片方が忙しい時に、もう片方の仕事に融通が利くとはかぎらないし、複数の企業から得た収入は自分で管理して確定申告する必要がある」と話す。会社に黙って副業しても、給与から天引きされる住民税が値上がりすることでバレるリスクもあるという。

 過度な負担にならない副業選びが重要だ。

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