「お粗末オンライン」 行政デジタル化の鍵握るユーザーインターフェース

【経済#word】

 菅義偉(すがよしひで)首相が、行政手続きでの押印の原則廃止を進めている。はんこは、署名の手間を省く便利な道具として普及した。押印をデジタル化できるかも、人々が使いやすさを感じられるかにかかっている。新型コロナウイルス対策の給付金支払いをめぐる混乱で露呈したのは、デジタル化の遅れだけではない。単にサービスをオンラインで提供するだけではなく、情報の表示の仕方や必要な情報を探す操作方法といった「ユーザーインターフェース(UI)」を重視した利用者目線が不可欠だ。

 「(求められているのは)まずUIを徹底的によくしろということだ」。平井卓也デジタル改革担当相は就任翌日の会見で、新設するデジタル庁の方針について聞かれ、こう強調した。

 UIとは、サービスを受ける際に、利用者が実際に目で見て、手で操作して、情報をやり取りする接点のことだ。パソコンでインターネットをする際には、画面に表示されるホームページや操作をするためのマウスやキーボードなども、UIのひとつといえる。

 スマートフォンが日常生活の必需品になり、毎日のように新たなアプリが誕生しては消えていくようになったが、アプリの人気を大きく左右するのもUIだ。操作と表示を兼ねる手のひらサイズの小さなタッチパネルに分かりやすさを突き詰められるか。IT各社は、利用者が簡単で便利だと感じるUIを磨き上げることに心血を注いでいる。

■お粗末オンライン

 「いまひとつイケてなかったので急いで改修を指示した」。平井氏は6日の会見で、政府のデジタル政策に関する意見を幅広い層から募集する「アイデアボックス」の公開について、スマホ版はUIを改善するため、9日公開のウェブ版より、1週間程度開始が遅れる見通しを明らかにした。開始を遅らせてまでUIにこだわる方針は、政府のデジタル化への本気度の裏返しともいえる。

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