F1撤退決めたホンダの裏事情 世界EVシフトでガソリンエンジン開発の意義低下

【経済インサイド】

 ガソリン車の最高峰を競うF1シリーズにパワーユニット(PU)供給で参戦しているホンダが、2021年シーズンを最後に撤退することを決めた。これまでも撤退や再参戦を繰り返してきたが、八郷隆弘社長は「再参戦は考えていない」と明言した。二酸化炭素(CO2)排出削減など世界的な環境規制の強化やクルマの電動化に対応するため、創業者・本田宗一郎氏の夢であり、巨額の費用を投じてきたF1と決別する。

 「大きくかじを切り、新たなPUとエネルギーの研究開発に経営資源を集中する」

 2日のオンライン会見で八郷社長はこう述べ、電気自動車(EV)やハイブリッド車(HV)などの電動車の販売比率を上げ、50年に企業活動で出るCO2を実質ゼロにする「カーボンニュートラル」の実現を目指す考えを示した。

 世界的に環境規制は強まり、欧州では英国が35年、フランスが40年までにガソリン車やディーゼル車の新規販売を禁止する方針だ。米カリフォルニア州のニューサム知事も9月、35年までに州内で販売される全ての新車を、排ガスを出さない「ゼロエミッション車」にするよう義務付ける方針を示した。

 ホンダは30年に四輪車の世界販売台数の3分の2をHVやEVなどの電動車にする計画を掲げるが、現状では海外大手メーカーに後れを取る。

 新型コロナウイルス感染拡大による世界的な需要減で、四輪車などの販売台数が減少。21年3月期連結決算の最終利益は前期比63・8%減の1650億円と見込まれる。

アクセスランキング

もっと見る

ピックアップ