量子コンピューター、スパコンしのぐ性能実証 米グーグル発表

 量子コンピューターが従来のスーパーコンピューターよりも計算問題を早く解けることを初めて実証したと、米グーグルが23日発表した。同日付の英科学誌ネイチャー電子版に論文が掲載された。量子コンピューターの革新性を実証した成果として注目されそうだ。

 発表によると、同社の量子コンピューターの試作機は、世界最先端のスパコンでも1万年かかる難しい計算問題を、約16億分の1の3分20秒で解くことができた。人工知能(AI)や新材料の開発などに使える本格的な量子コンピューターの実現に向けた重要な一歩だとしている。

 量子コンピューターは、従来のコンピューターでは困難な大規模計算が可能になると期待されてきたが、実証されていなかった。同社は従来のコンピューターの性能を上回ることを示す「量子超越」を達成したと主張。量子コンピューターの世界的な開発競争がさらに激化しそうだ。

 ただ、既存のスパコンでも2日半で解ける計算問題だと米IBMの研究者が反論するなど、成果の大きさを疑問視する声もある。

 グーグルはスパコンの計算速度の世界ランキングで首位に立つ米国の「サミット」などと比較した計算実験を行った。

 今回の成果は、ある特定の計算について、量子力学に基づく計算方法が従来のコンピューターを上回ったことを示す。さまざまな計算に使える実用的な量子コンピューターの完成にはまだ時間がかかる見通しだ。

■量子コンピューター 

 量子力学の特性を使って、従来のスーパーコンピューターでも困難な大規模計算を高速で実現できると期待される計算機。普通のコンピューターが「0」と「1」の組み合わせで計算するのに対し、0でも1でもある「重ね合わせ」という特殊な性質を使って、大量の情報を一度に処理することができる。人工知能(AI)の開発や創薬など幅広い用途が見込まれる。

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