給料アップの派遣社員は微減 うまくいった賃上げ交渉とは?

 厚生労働省の2016年度版「労働者派遣事業報告書」によると、派遣労働者の1日(8時間)あたりの平均賃金は1万2624円。ひと月20日間働いたと単純計算すれば平均月給は25万2480円ということになる。家族構成や生活圏の物価などにもよるが、収入増を望む人は少なくないだろう。

 人材サービスのエン・ジャパンは2月28日~3月27日、同社のサービスを利用している派遣社員445人を対象に、給料に関するインターネット調査を実施。給料・時給が上がった人は26%で、昨年から1ポイント減だったと発表した。

 給料がアップした人のうち、賃上げ交渉をしなくても上がったのは17%、交渉がうまくいって昇給したのが9%。昨年はそれぞれ18%、9%だったので「黙っていても時給が上がる」ケースがわずかに減ったようだ。また、昇給額を時給に換算すると「10~50円」(41%)が最多。次いで「151円以上」(27%)が多かった。

 では、実を結んだ賃上げ交渉とは、どのようなものだったのだろうか。アンケートでは「覚えた仕事量を正しく伝え、かつ他の人とも比較をし、時給アップを交渉しました」(30歳男性)、「交渉というより、現状に対する評価をお給料に反映してほしいとささやかな希望を伝えました。結果的に昇給しました」(39歳女性)などの成功談が寄せられた。

 逆に、残念ながらうまくいかなかった体験談には、「仕事量が入社当時より明らかに増えたので、昇給希望をしたが、希望時給にはならなかった」(40歳女性)、「勤続年数が長いことや経験を加味して昇給の相談をしたが、すでに上限まで賃金は上げていると言われ、了承が得られなかった」(26歳女性)などがあった。一方で、仕事のストレスと給料アップとをてんびんにかけて「給与が上がった分、仕事量も増えてしまうので、交渉はしない」(28歳男性)というコメントもあった。

 給料アップのために行っている取り組みを聞いた質問(複数回答)では、「交渉をする」と回答したのは12%。最も多かったのは「お給料(時給)の良い仕事に就く」(53%)だった。

 来年4月から、非正規雇用労働者と正規雇用労働者との間で不合理な待遇差がなくなる「同一労働同一賃金」が大企業などに導入される。派遣社員の待遇改善が見込まれるが、自分の実績やスキル、働きぶりを職場の人たちに分かってもらい、自力で待遇を良くしていく努力も引き続き重要だろう。

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