スマホ決済乱立、生き残りへ戦略多様化

 スマートフォンを使ったキャッシュレス決済が乱立し、顧客獲得競争が激しさを増している。資金力のある事業者が多額の利用者還元策で大規模な集客を仕掛ける一方、決済以外のスマホサービスとの連携や地域密着の加盟店開拓など、体力勝負を避けて差別化に取り組む動きも。生き残り戦略が多様化する中、今後は利便性や安全性などサービスの質が問われそうだ。

 「決済データを利用して、お金の流れを変える」

 フリーマーケットアプリ大手メルカリの山田進太郎会長は、スマホ決済サービス「メルペイ」の事業戦略説明会でこう力説した。

 スマホ決済に参入する事業者の狙いは、膨大な購買データを生み出す会員基盤の確保だ。フリマアプリで月間利用者数1200万人、年間の売上金が5千億円規模に上るメルカリも例外ではない。ただ、同社は大規模な還元策とは一線を画す。

 メルペイは主力のフリマアプリ「メルカリ」との相乗効果を重視。中古品取引の売上金をそのまま決済に使えるのが特徴で、メルペイで購入した商品を簡単に中古市場に出品できる仕組みも視野に入れる。

 メルカリが蓄積するデータは、発売から中古市場に出品されるまでの期間や価格など、新品の購買情報だけでは得られない中長期的な消費動向も含まれる。これを使うことでメーカーや小売店は商品の開発サイクルや適切な値段設定など、より深い市場分析につなげることができる。メルカリはこの強みで消費者と加盟店とを結びつけ、決済事業の拡大に取り組む。

 一方、昨年10月にQRコード決済サービス「&Pay(アンドペイ)」を開始したエムティーアイは地域密着を強調する。茨城県の地方銀行の常陽銀行と連携し、水戸市を中心に加盟店を増やしており、加盟店約130店舗のうち9割が個人経営店だ。

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