KYB 制振装置の交換費、補償費用…損失膨張は必至

 KYBが平成30年9月中間連結決算に引当金として損失計上したのは、「合理的に算定可能な範囲で見積もった144億円」(加藤孝明副社長)で、制振装置の交換費用は含まれない。補償費用も含まれておらず、損失は今回の計上にとどまらない。どこまで損失が膨らむかが今後の焦点となる。

 今回、引当金として計上したのは、免震装置の交換費用63億円と、製造原価65億円。制振装置は製造原価のみを計上した。

 免震装置は建物の地下の空間に設置されていることが多く、取り換えが比較的容易とされる。これに対し制振装置は内装で隠れていて、交換する際に壁をはがす場合もあり、費用の算出が難しい。1本当たりの交換費用は免震装置よりも高くなるのは確実で、引当金の額は今後、さらに増える見通しだ。

 さらに、問題となるのは、マンションの販売休止や賃貸マンションの入居者退去、入居者募集の中止に伴う費用、商業施設や病院などの免震・制振装置の交換時の休業補償などだ。KYBは、改竄の疑いのある免震・制振装置は全国で980件、1万928本設置され、再来年9月までに交換を完了させるとしている。ただ、建物の所有者らとの協議や建築業界の人手不足もあって、工事完了が遅れる可能性もあり、引当金はさらに膨らみかねない。

アクセスランキング

もっと見る

ピックアップ