仮想通貨流出 金融庁、利用者保護を優先しスピード処分 

 経営管理体制が不十分として仮想通貨交換業者7社に8日、行政処分を出した金融庁。交換所大手コインチェック(東京)からの約580億円相当の「NEM(ネム)」流出をきっかけに実施していた立ち入り検査から約1カ月、異例のスピード処分の背景には頻発するシステムトラブルなどの早期是正や利用者保護の強化を業界に促す狙いがある。

 金融庁は1月26日のネム流出発覚後、コインチェックを含む全業者を対象に立ち入り検査を行う方針を表明。2月13日のテックビューロ、GMOコインへの立ち入り検査を皮切りに検査を実施していた。今後も順次行う方針だが今回、第1弾の検査を終え、問題があった交換業者を先行して行政処分した。

 処分した交換業者7社の中には私的流用に加え、システム障害事案が頻発していながら適切な再発防止策が講じられていないケースや帳簿書類の一部未作成もあり、「法令を順守する意識が希薄で、利用者保護が優先されていない」(金融庁幹部)といった問題を抱えていた。このままでは「コインチェックのような流出問題が再び起きてもおかしくない」との危機感がスピード処分につながったとみられる。

 金融庁は今後、登録申請中のみなし交換業者だけでなく登録業者に対しても、利用者保護の徹底を求める方針。取り扱う仮想通貨の特性について利用者に説明するための態勢が整備されているか、システムリスク管理の実施結果や技術進展などに応じて継続的に見直しを実施しているかなども厳しく求める。

 8日には学識経験者や金融実務家らで構成する仮想通貨交換業などに関する研究会の設置も決め、トラブルへの制度的な対応も検討していく。(飯田耕司)

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