スバル 信頼回復へ 多難な船出の新経営陣

 スバルの主力市場、米国の販売などで実績を上げてきた中村知美専務執行役員の新社長内定会見だが、晴れやかなスタートとはいかなかった。この日は併せて、疑惑としていた燃費データの改竄(かいざん)を事実と認め、新車の無資格検査問題の「けじめ」をつけて3役員の退任も発表したからだ。吉永泰之社長が会長兼最高経営責任者(CEO)にとどまる「二重構造」の中で、信頼回復を目指す経営のかじを取る責任は重い。

 燃費データ改竄に関して吉永氏は「基準値内の書き換えで、品質に対する影響は生じない。(燃費の)カタログ値が変わるわけではない」と強調。「完成検査(の不正)と同じようなことが行われていた。大きな問題で反省しなければならない」と述べた。組織ぐるみには否定的な見方が大勢だが、今後明らかにする調査結果次第では検査不正で傷を負ったブランド力がさらに低下する懸念もある。

 また、吉永氏は会長兼CEOにとどまることについて、「『真に正しい会社』となるため、さらに信頼されるブランドを築き上げるべく全力を注ぐ」と説明。4年間の米国駐在で「(本社での仕事について)リハビリ中」(中村氏)の新社長を助ける意味もあるようだが、経営責任を取らない姿勢とも受け取られかねず、消費者らの支持を得られるかは不透明だ。

 スバルは次期中期経営計画を5月までにまとめる予定だったが、めどを今夏に延ばし、中村氏が中心となって策定する方針だ。ただ、焦点となる電気自動車など車両の電動化、自動運転といった次世代技術への対応などについて中村氏は「中計で答えを出したい」と述べるにとどめた。

 前途多難な船出となった新経営陣だが、就任早々その手腕が問われる。

(高橋寛次)

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