紛争解決手続きが通商交渉の火種に?! 日欧は分離も…TPPでもくすぶる不満

 【経済インサイド】

 日本と欧州連合(EU)の経済連携協定(EPA)交渉で、企業が投資先国の制度変更などで損害を受けた際、その国に賠償を請求する仕組みが最終合意から切り離され、注目を集めた。実はこれ、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)の交渉時から市民団体の激しい抗議を受けてきたいわく付き案件だ。多国籍企業が訴訟を起こし環境保護など必要な規制が実施できなくなるというのが批判の理由。政府は日本企業の海外進出に不可欠との姿勢だが、見直しを求める声も強まっており、今後の通商交渉の火種になりそうだ。

 12月11日、TPP等政府対策本部が東京都内で開いた米国抜きの11カ国が大筋合意した新たな協定(TPP11)の説明会。質疑応答に立った参加者が、「訴訟を通じて国家を企業の支配下に置く恐ろしい制度だ!」と声を上げた。

 やり玉に挙がったのはTPPが盛り込んだ「ISDS条項」だ。企業が政府を相手取って国際機関に仲裁を申し立てられる仕組みで、日本は日欧EPAでもISDS導入を主張したが、EU側がこれに強く反対し各国政府が専属の仲裁人を任命する二審制の「投資裁判所」の創設を求めて議論がもつれた経緯がある。

 ISDSは投資をめぐる紛争解決手続きで国と企業がそれぞれ仲裁人を指名する制度。世界銀行傘下の紛争解決国際センター(ICSID)など中立的な国際機関を通じて仲裁手続きが行われている。

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