大企業の開放特許を中小連携で製品化 自治体の目利き力とマッチングがカギ

 鈴木氏は、利益が出るまで支援する「埼玉モデル」の生みの親で、「連携」をキーワードに中小支援を続けてきた。鈴木氏が就任したのは同年10月で、「グループ化して得意分野を任せたほうが製品化までの時間やコストを抑えられる」と判断。12月にオプトに声をかけ、開放特許の活用を呼びかけた。

 「QRコードの読み取りは得意」(オプトの永瀬博行採用担当)と応じたが、アプリやソフトの開発、デザインなどは積極的に手がけていないため、鈴木氏と話し合いながら連携先を選定。セキュリティーに強いシステム開発のグローバルソフトウェア(同本庄市)、印刷デザイン力をもつ五光印刷(同蕨市)、産総研の開放特許の実施許諾をもつブルーリンクシステムズ(東京都千代田区)が仲間に加わった。

 今年6月にデモを実施、9月には権田酒造(埼玉県熊谷市)がブランド「直実」を杯の上にのせたイメージデザインでQRコードを作成、販促ツールとして使用している。迷子対策用として遊園地や海水浴場、商業施設などに売り込み中という。鈴木氏は「2020年東京五輪・パラリンピックの会場でも使ってほしい」と期待を寄せる。

 埼玉モデルでは今夏に第2号案件も誕生、大企業の知財を中小企業に移転し新製品開発などをサポートする自治体の動きは一段と活発化しそうだ。(経済本部 松岡健夫)

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