大企業の開放特許を中小連携で製品化 自治体の目利き力とマッチングがカギ

 大垣氏は「休眠特許がWITによって目を覚ました。技術開発から先の事業展開は、その道のプロのサポートが必要ということを川崎モデルを通じて実感した。開発者のモチベーションも上がるので知財マッチングは必要」と言い切る。

 市内企業の高いポテンシャルが清水建設の課題解決につながったわけで、宇崎氏は「これを機に『大手の構想を中小で形にする』連携が進むとよい。支援機関が中に入ることで、大手にもメリットが出ることが証明された」と喜ぶ。

 埼玉県でも中小連携が初の事業化を生んだ。産業技術総合研究所が提供した開放特許で、バーコード読み取り機大手のオプトエレクトロニクス(埼玉県蕨市)など4社がリストバンド型迷子防止札「おまわりQR」を共同開発した。

 子供の名前や親の連絡先をQRコードを使って表示、専用バーコードリーダーで読み込む。イラストなどを入れられるため子供も楽しみながらバンドをつけるようになる。QRコードは一見して個人情報が書いてあるとは分からないので安心だ。

 産総研と企業をつないだのが、埼玉信用金庫が立ち上げた中小支援機関「さいしんコラボ産学官」で事業プロデューサーを務める鈴木康之氏。さいしんコラボにとって開放特許活用支援の第1号で、28年から特許庁が派遣する事業プロデューサーを受け入れたことが功を奏した。

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