大企業の開放特許を中小連携で製品化 自治体の目利き力とマッチングがカギ

 声をかけたのは清水建設だった。同社生産技術本部の大垣博主査は「初号機は100台超の販売実績を持つが、いくつかの課題があった。そこで自社の知的財産部に相談したところ、川崎モデルを紹介され、宇崎氏と面会した」という。

 「使い勝手の改善と性能向上には新型の開発が必要」と聞いた宇崎氏は3社を思いついた。ただ3社にとって知見のない分野だったため難しいと考え、断りに清水建設を訪問。しかし大垣氏の熱意にほだされ、3社はWITを結成、試作を始めた。試行錯誤しながら得意技術を持ち寄り、現場で培ったアイデアと小回りのきく対応を重ねて製品化にこぎつけた。

 「ここまでやるとは正直言って思わなかった」(宇崎氏)

 でき映えに、トータルコーディネートと販売を受け持つ和興計測の五十嵐崇社長は「開発から設計、出荷まで全て川崎市内で完結したメード・イン・カワサキの製品。今後もWITでモノづくりを進める」と意気込む。

 11月から販売に乗り出したが、30年4月から欠陥住宅問題を解消するため宅地建物取引業法が改正され、中古住宅の引き渡し時に建物状況調査が義務化される。この調査に必要な装置として活発な引き合いが見込まれるといい、使い勝手を試した三井不動産リアルティ(東京都千代田区)から300台の購入予約を受けた。価格は6万円で、初年度は700台の販売を目指す。

アクセスランキング

もっと見る

ピックアップ