TPP大筋合意、国内農家に不満 批准難航も 自民重鎮を再起用で沈静化へ

 環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)に参加する11カ国は大筋合意に達したが、国内農家の間では不満も高まっている。合意内容に含まれる乳製品の低関税輸入枠や牛肉の緊急輸入制限措置(セーフガード)の発動基準が日本の農家にとって不利になるとの見方があるからだ。今後、発効に必要な国内手続きが難航する恐れもあり、政府は自民党の重鎮を起用し、沈静化を図っている。

 今回大筋合意した協定では、関税撤廃・削減など市場開放に関する取り決めは原則維持された。しかし輸入枠などに関する数値は米国からの輸入があることが前提で、米国が復帰しなければ他国にとっては事実上の輸入枠拡大となる。また豚肉や牛肉のセーフガードも米国抜きでは発動基準が高過ぎて、実効性がなくなる恐れがある。

 こうした合意内容に国内農家の反発が強まれば、法案の審議などが停滞する可能性もある。全国農業協同組合中央会(JA全中)の中家徹会長は、9日の記者会見で「アメリカの離脱によって、見直すところは見直すべきだという考えは変わっていない」と言及。農業分野の修正や農家への支援を求めている。

 一方、今回の合意では、米国の復帰が見込めなくなった場合には内容を見直すことが可能ともされた。日本はこれらの問題での再交渉の余地を確保した形だ。

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