10月から虫歯治療「銀歯」値上げ→「お口」から見える世界経済の「今」

 【経済インサイド】

 虫歯の治療に使われる「銀歯」の価格が10月から値上げされた。背景にあるのは、原材料のパラジウムや金の国際市況の動きだ。世界的な景気の波に加え、北朝鮮情勢の緊迫化といった地政学リスクの高まり、米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げの動向など、貴金属相場はさまざまな要因で上下に振れる。「お口の中」の貴金属、特にパラジウムと金に焦点を当てて、世界経済の「今」に迫った。

 厚生労働省は9月8日、銀歯の原材料「金銀パラジウム合金」の価格について、従来の1グラム=1279円から10月以降は1414円に引き上げると告示した。奥歯の「大臼歯」を覆う治療をする場合、保険適用後の患者の自己負担額(原則3割)は144円増え、4980円になった。虫歯治療は財布にも痛みを伴う出費となる。

 診療報酬の改定などについて審議する厚労相の諮問機関「中央社会保険医療協議会」が半年ごとに価格を見直す。前回の改定から半年以内で原材料価格に5%以上の変動があった場合は見直すルールだ。

 貴金属の世界では、このところパラジウムの存在感が高まっている。パラジウムは今年に入って3割超も値上がりし、9月下旬には希少価値の高いプラチナ(白金)の価格を16年ぶりに上回る逆転現象が起きたためだ。

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