歪みの代償 東芝半導体売却(上)“砂上の楼閣”日米連合、リーダー不在の寄り合い所帯

 「関係者の同意が得られなかった。私どものコミュニケーション不足。深くおわび申し上げる」

 28日夕、東京都内のホテル。東芝と「東芝メモリ」の売却契約を交わした「日米韓連合」で交渉を主導した米投資ファンドのベインキャピタルが予定していた記者会見は、時間になっても始まらなかった。10分後にようやく現れたベインの杉本勇次日本代表は恐縮した表情で会見中止を伝えると、何度も頭を下げた。

 「呼びつけておいて、ばかにしているのか」。会場は記者の怒号で騒然となった。寄り合い所帯の難しさを予感させる一幕だった。

 「『船頭多くして船山に上る』にならなければいいが」。関係者はそう語る。韓国SKハイニックス、米アップル、米デル…。連合にはそうそうたる顔触れが並ぶ。日本からは官民ファンドの産業革新機構と日本政策投資銀行も資本参加を視野に入れるが、名優をかき集めたからといって名作が生まれるとは限らない。

 開発や製造に巨額の資金を必要とする半導体ビジネスでは、迅速な経営判断が欠かせない。韓国サムスン電子は、財閥ならではの強力なリーダーシップで世界首位へとのし上がった。

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