東芝危機 メモリ売却実現でも独禁法の壁 中国の審査、長期化の恐れ

 東芝の半導体子会社「東芝メモリ」の売却手続きが難航を極める中、売却先を正式決定しても、次には独占禁止法の審査という難題が待ち構える。平成30年3月期決算で債務超過を解消し、上場を維持するには来年3月までに売却を終えなければならないが、各国の独禁法審査には半年程度かかるとされる。特に中国では審査が長引く懸念が指摘されており、間に合うかは微妙な状況だ。

 国際企業法務に詳しい芝綜合法律事務所の牧野和夫弁護士によると、中国での独禁法審査は初期審査(30日)に続いて本審査(90日)を実施。延長可能な期間を含めると最長で約180日かかるのが通例で、さらに延びたケースもある。

 牧野弁護士は「中国では自国の産業保護を考慮した政策的判断が影響して、結論がどう出るのかは読みづらい」と話す。

 中国では、スマートフォンをはじめとするIT機器などに必要とされる半導体が戦略的産業に位置づけられ、「東芝のケースも、中国市場への影響が大きいと当局が判断すれば審査は長期化し、厳しくなる」と指摘。最悪の場合、売却禁止を通告される恐れもあり、その判断は中国当局に委ねられているのだ。

 スマホの記憶媒体「フラッシュメモリー」市場では、韓国サムスン電子を筆頭に東芝メモリ、米ウエスタンデジタル(WD)、韓国SKハイニックスがシェア争いを展開。東芝メモリ売却で市場の寡占化が進むようなら各国の独禁法審査も慎重にならざるをえず、「来年3月」は危うくなりかねない。(柳原一哉)

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