東芝危機 8月中のメモリ売却ならず…銀行・経産省に広がる失望感

 東芝メモリの売却先を8月中に決めきれなかったことで、再建を支援する主力取引銀行や監督官庁の経済産業省に失望感が広がっている。銀行にとっては売却先決定が遅れれば多額の貸倒引当金を積むリスクが高まり、経産省は交渉の長期化による技術開発の停滞を懸念しているからだ。31日、関係者からは「調整を急いでほしい」との声が相次いだ。

 「9月に入って早々、少なくとも1~2週間で(売却先を決める)結論を出すと認識している」。主力取引銀行の幹部は31日、8月中に売却先を決められなかった東芝に対して早期決着を期待した。

 東芝を資金繰りで支える三井住友銀行、みずほ銀行などの銀行団にとって、8月中の売却先決定は大きな意味を持っていた。東芝は売却資金を得て財務を改善しなければ、平成30年3月期の決算が債務超過となる。来年3月までに売却を完了するためには「8月末までに売却先を決めないと間に合わない」(主力行幹部)恐れがあるからだ。

 この場合、銀行は東芝の債務者区分を「破綻懸念先」などの不良債権の区分に引き下げて引当金を積まざるを得ず、経営に大きな打撃となる。債務超過が改善できず、上場廃止となれば東芝の社会的信用力も低下。取引先が離れる可能性もあり、銀行は融資を続けられなくなる恐れもある。

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