WD議決権の行方が焦点 東芝半導体売却 韓国SK反発も警戒

 東芝は25日、半導体子会社「東芝メモリ」の売却で優先交渉先となった米ウエスタンデジタル(WD)陣営と詰めの交渉に入った。一定の経営関与を求めるWDが議決権を将来どの程度持つかなど課題は山積しており、月内に折り合えるかは予断を許さない。一方、東芝の方針転換で買収陣営参画がかなわなかった韓国半導体大手SKハイニックスの反発も予想されるなど、新たな火種もくすぶる。(万福博之)

 WD陣営の現時点での買収案では、WDは普通株に転換できる社債で1500億円を拠出し、当面は議決権を持たない形にする方向だ。問題はWDが将来取得する議決権にある。

 東芝は関係各国の独占禁止法の審査を勘案し、WDの議決権比率を2割未満に抑えたい考え。中国での審査は15%を超えると長期化する傾向があるとされるからだ。だが、WDはさらに高めたいとみられ、どう折り合いをつけるかが大きな焦点になる。

 WDの陣営は産業革新機構と日本政策投資銀行、米ファンドのコールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)が3千億円ずつ出資し、2兆円規模の買収総額を確保する見通しだが、契約に至るには買収条件などで今後詰めるべき項目は多岐にわたる。残り数日間で多くの関係者の意見をすり合わせ、最終合意にこぎ着けるのは容易ではない。

 「外れたSKも怖い」と東芝関係者は懸念を示す。日米韓連合に参加していたSKは、東芝が優先交渉先を切り替え、はしごをはずされた格好になる。決定した背景を丁寧に説明し、納得を得られなければ、新たなリスクになりかねない。東芝社内では「関係がもつれれば、韓国での独禁法審査で横やりが入るのではないか」と警戒感が広がる。

 東芝の半導体部門や東芝メモリ内で顕在化するWDと組むことへの反対意見も懸念材料だ。東芝とWDはこれまで売却差し止め訴訟で激しく対立しており、自社の権益確保になりふり構わないWDに対する不信感は根強い。契約を結べたとしても社員の融和などの対応が必要になる。

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