東芝、「適正意見」得られなければ上場廃止も

 東芝は今月末を法定期限とする平成29年3月期の有価証券報告書(有報)の提出を先送りした。延長申請が承認され、ただちに上場廃止に向かう事態は回避したが、有報や四半期報告書の提出延期は27年の不正会計問題発覚以降で5度目。度重なる遅れは日本取引所グループ(JPX)傘下の日本取引所自主規制法人が進める東芝株の上場維持の可否の審査に影響しそうだ。最終的に監査法人から有報に「適正意見」を得られなければ、上場廃止が現実となりかねない。

 東京証券取引所や自主規制法人は、東芝が今月末までに有報を提出できない理由や事情を確認する。次の焦点は、期限延長を経て、東芝が最終的に監査法人のお墨付きである適正意見を得て有報を出せるかだ。

 東芝は不正会計問題を受けて、東証から内部管理体制に問題があると投資家に知らせる「特設注意市場銘柄」に指定された。今年3月からは自主規制法人による2度目の審査を受けている。

 自主規制法人や東証は、東芝の有報提出を踏まえて上場維持か上場廃止か結論を出すとみられ、有報提出の行方は大きなカギを握りそうだ。関係者では「適正意見が付いた有報を提出できなければ、上場廃止に向かうのは避けられないだろう」との見方がある。

 一方、今月16日に開かれたJPXの株主総会では、出席株主から「上場廃止基準の運用が緩くなっている印象が強くある」「大きな会社に対して『忖(そん)度(たく)』は働いていないのか」との指摘が出た。大企業が起こした不祥事への自主規制法人や東証の対応が厳しさを欠くとの声も上がった。

 東芝が新たな期限の8月10日に有報を提出できたとしても、内部管理体制について最終的に見極めるには一定の時間を要する可能性もある。

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