高齢者による運転事故を防止する人間工学 ペダルのオフセット(位置調整)問題を解決

 《自動車の設計において人間工学は重視されているはずだ。しかし、もう何十年も言われ続けているにもかかわらず、改善できていない問題がある。それはペダルオフセットだ。[池田直渡,ITmedia]》

 一般社団法人「日本人間工学会」によれば、「人間工学は、エルゴノミクス(Ergonomics)やヒューマンファクター(Human Factors)とも呼ばれており、私たちの生活の中に定着している。人間工学は、働きやすい職場や生活しやすい環境を実現し、安全で使いやすい道具や機械を作ることに役立つ実践的な科学技術」だそうだ。

 当然、自動車の設計でも人間工学は重視されているはずだ。なのだが、もう何十年も言われ続けているにもかかわらず、改善できていない問題がある。それはペダルオフセットである。特にコンパクトカーについて顕著なのだが、アクセルペダルとブレーキペダルが左にずれてしまっているクルマは今でも多い。

ペダルオフセットと高齢者の事故

 そんな状態になっているのは、ユーザーがそれをあまり気にしないからということもあるだろう。先日話した某メーカーの人は「あまりペダルオフセットのご指摘は受けたことがないです」と言う。それはきっと本当なのだろうが、その状況にちょっと暗澹(あんたん)とした。

 少し前にマツダが開催した安全運転取材会で、筆者は高齢者の疑似体験をした。理学療法士が監修したさまざまな拘束具を装着して、ペダル操作を行ってみた結果、ペダルのオフセットがいかに高齢者の事故に直結するかを身を持って知ることになったのである。

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