東芝危機 WH海外事業撤退、国内原子力産業の転換点 拡大路線に終止符

 東芝は、破産法申請を機にWHを連結対象から切り離し、海外の原発事業から撤退する。海外進出の切り札として踏み切ったWH買収は、完全に裏目となった格好だ。日本の原発メーカーでは日立製作所や三菱重工業も、海外進出に慎重な姿勢を取りつつある。WHの破産法申請は日本の原子力産業全体にとっても大きな転換点となる。

 「平成27年までに、原発事業の売上高を現在の2千億円から6千億~7千億円に増やす」

 東芝がWHを買収した18年、当時の西田厚聡社長はそう豪語した。国内原発のみを手がけていた同社にとって、海外実績が豊富なWHは成長のエンジンと映った。

 当時、電力需要の拡大などを背景に原発建設を推進する「原子力ルネサンス」が起こりつつあり、経済産業省も原発をインフラ輸出の核に据え、海外進出を積極的に後押しした。それだけにWHの破産法申請は、原発の拡大路線は事実上の終止符を打った形だ。

 23年の東京電力福島第一原発事故以降、世界では原発建設の中止や延期が相次ぐ。日立と三菱重工は海外進出を否定しないが「(東芝とWHは)確かにリスクヘッジが甘かったが、他人ごとではない」(日立関係者)と警戒感を強める。

 一方、国内でも原発の新設は望めない。経産省はかねて、国内原発メーカーの事業統合を水面下で模索してきた。東芝の海外事業撤退は、国内の原発事業再編の呼び水となる可能性がある。(井田通人)

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