三菱重工が大型客船事業から撤退へ 中小型に絞り込み、商船は分社化や提携を模索

 巨額の赤字を計上している客船事業の見直しを進めていた三菱重工業は18日、大型船から撤退する方針だと発表した。今後は中小型の客船に絞り込み、他社との提携を強化して収益改善を図る。ただ、造船各社は世界的な「船余り」に苦しんでおり、抜本的な改善は難しい状況だ。

 三菱重工の客船事業をめぐっては、米クルーズ船大手から豪華客船2隻を受注したものの、納期が遅れて計2375億円の巨額損失を計上していた。4月に立ち上げた事業評価委員会は大型客船について、「中国市場の成長で一定の需要が続く一方、将来的には建造能力に余剰が発生する」と指摘。コスト面でも「欧州メーカーに対し不利」な点を指摘し、事業継続は得策でないとした。

 これを受け、同社は部品や設備を国内から調達しやすい中小型の客船に絞り込む方針。日本郵船が建造を検討する客船「飛鳥II」の後継については、「思い入れがある。対応可能か詰めたい」(宮永俊一社長)と意欲を示した。

 一方、商船事業では、8月に商船事業で提携した今治造船(愛媛県)、大島造船所(長崎県)、名村造船所(大阪市)との連携を強化。設計などを手がける部門を分社化し、3社と合流させることや、造船所の共同利用を進め、船の種類に応じて使い分けることも検討する。

 造船会社では、川崎重工も船舶海洋事業の赤字が拡大しており、事業継続を含む今後の方針を検討している。

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