危ういワンルームマンション投資 新築も中古も売れているが…

 ワンルームマンションの唯一といっていい投資メリットは、その損益を他の所得と通算できることだ。

 例えば、年収1000万円の独身サラリーマンが支払う年間の所得税は97万円くらいだが、新築ワンルームマンションを購入した場合は、それを51万円程度に減らすことができる。

 仕組みを簡単に説明すると、新築ワンルームマンションを購入すると、1年目は諸費用その他で投資は赤字になる。1500万円くらいの物件なら、赤字は200万円ほど。この200万円を税法上の給与所得から差し引くことができる。

 これを税務署に確定申告すると、源泉徴収で払い過ぎた税金の差額分の46万円が還付される。自分の銀行口座に振り込まれるのだ。

 マンションのオーナー気分を味わえて、なおかつ税金まで返ってくる。この味をしめて2戸目、3戸目を購入しているサラリーマンは多い。

 ただ、家賃収入があったとしても、大半はローン返済その他で相殺されるので、手元に残る収入はわずか。しかも、いったん空室になると家賃収入が途絶えてローンの返済や管理費、固定資産税は持ち出しになる。

 多くの人が、ワンルームマンションを30年程度で返済するローンを組んで購入している。完済する30年後、その物件を借りてくれる人がいるのか。またいくらで売却できるのか。

 現実を冷静にみると、投資対象としてかなり疑問に思えてくる。持っているのなら、今のうちに売る手もある。

 ■榊淳司(さかき・あつし) 住宅ジャーナリスト。同志社大法学部および慶応大文学部卒。不動産の広告・販売戦略立案の現場に20年以上携わる(www.sakakiatsushi.com)。著書に「年収200万円からのマイホーム戦略」(WAVE出版)など。

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