マイナス金利導入 国債利払い減少で財政健全化に期待 経済政策に充てるべきとの声も

 日銀のマイナス金利導入を受け、長期金利が過去最低水準で推移している。このまま低位が続けば、政府負担となる国債の利払い費が減り財政健全化が進む利点も期待される。ただ、長期金利は市場動向で大きく変動するため、削減分は一時的として、経済政策に充てるべきだとする声が与党内で強まる可能性もある。(今井裕治、中村智隆)

 財務省は2日、2月に発行する10年物国債の入札で、額面に対する利息の割合を示す表面利率を1月分と同じ年0.3%に据え置いた。10年物国債の利回りは長期金利の指標。日銀のマイナス金利導入を受け国債市場の利回りは低下しているが、償還日が同じ銘柄は市場利回りとの差が0.3%超開かないと見直さないというルールに達しなかった。

 ただ、3月に募集する国債は償還日が変わるため、利回りの低下傾向を反映して表面利率が下がる可能性が高い。

 長期金利が想定よりも低下すれば国債の利払い費の圧縮につながる。財務省は平成28年度の長期金利を1.6%と想定。この金利を前提とした場合の国債の利払い費は年9.9兆円だが、想定より金利が1%程度低くなると1兆円規模の費用圧縮になるという。その分を、別の政策経費に充てなければ、借金は減る。

 だが、ここ数年も利払い費が浮く状況だったが、「浮いた分は補正予算の財源などに使われた」(エコノミスト)のも事実だ。

 安倍晋三政権は「1億総活躍社会」の実現に向け、政策に必要な財源について、税収底上げ分を活用することを検討する。マイナス金利導入で超低金利が続けば、そこで浮いたお金を財源に充てるべきだとの期待が高まる可能性もあり、歳出改革が鈍る恐れもある。

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