日銀、マイナス金利導入 当座預金に0・1%手数料、物価目標達成は先送り

 日銀は29日、金融政策決定会合を開き、追加緩和策として、民間銀行が日銀に預けている一部の資金に0・1%の手数料を課す「マイナス金利」を導入することを決めた。追加緩和策の導入で、原油安や新興国経済の失速を受けて企業が投資に慎重になるのを防ぐ。米国の利上げで新興国からの資金流出が懸念される中、日銀は投資家の不安解消も狙う。

 日銀のマイナス金利決定は、9人の政策委員のうち5人が賛成し、4人が反対した。

 日銀は追加緩和で、長期国債の買い入れ枠80兆円は維持する。また、日銀は2%の物価上昇目標の達成時期を「平成29年度前半ごろ」に先送りした。これまでは「28年度後半ごろ」としていた。達成時期の先送りは3回目。28年度の物価見通しについては、1・4%上昇から0・8%上昇に引き下げた。

 日銀の追加緩和策を受け、東京金融市場も大きく反応した。29日の東京株式市場の日経平均株価の上げ幅は一時、500円を超えた。東京外国為替市場では円相場が対ドルで急落し、一時、1ドル=121円台前半で取引された。

 日銀はこれまで「物価の基調は改善している」と説明してきた。しかし、企業の1~3年後の物価見通しも2期連続で下方修正され、企業の物価観は弱含んでいた。

 金融市場では、米国の利上げペースに関心が集まっている。少しでも利上げを急ぐ気配が伝わると、新興国を潤していた緩和マネーが米国に吸い上げられ、世界経済を下押しする懸念につながるからだ。

 こうした中、日銀は企業が設備投資や賃上げに及び腰になれば、「消費拡大を通じて物価を押し上げる」シナリオが崩れると判断した。企業の物価観を再び高め、大幅な賃上げにつなげたい考えだ。

 【用語解説】マイナス金利 民間銀行が日銀に預ける「当座預金」について、日銀が利息を支払うのではなく、銀行側が手数料を支払う仕組み。追加の金融緩和策の一つ。銀行が当座預金を減らすことで、投資や貸し出し増などを増やし、実体経済を刺激する効果があるとされる。

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