中国はARJ21をMRJのライバルと吹聴するが…性能差は歴然、航空各社は見向きもせず

 【経済インサイド】

 国産ジェット旅客機「MRJ(三菱リージョナルジェット)」が初飛行を成功させたことについて、中国メディアが「強力なライバルが登場した」と相次いで報道している。中国もMRJと同型の78~90席クラスの初号機「ARJ21」を11月末に納入したばかりで、MRJを好敵手と位置付けているようだ。ただ、悲しいかなARJ21は、世界の有力な航空会社から全く相手にされていないのが実情で、MRJとの性能差は大きい。にもかかわらず、中国メディアはMRJを勝手にライバル扱いし、海外へのアピールに必死なのだ。米ウォールストリート・ジャーナルが業界の専門家の話として「ARJ21は中国国外に打って出られる見込みはほとんどない」と報じるなど、自国内の航空機にとどまる可能性が高くなっている。

 在日中国メディアの日本新華僑報はMRJの初飛行の成功後、「日中製造業の戦いは『地上戦』から『空中戦』に移ってきた」と報じた。「インドネシアの高速鉄道の受注合戦を制した中国はこれから日本と航空機市場で激突する」との見通しを示した。中国共産党機関紙・人民日報系の環球網も日本の旅客機生産について紹介し、「MRJは中国のARJ21の競合機だ」と主張するなど、あたかもARJ21がMRJのライバルと言いたげな論調だ。

 だが、実際のところ、ARJ21は「世界の有力な航空会社から全く相手にされていない」(国内エアライン関係者)という。その理由は、安全審査の基準が厳しいとされる米連邦航空局(FAA)や欧州航空安全機関(EASA)から安全性を認証する「型式証明」をいまだに取得できていないためだ。

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