金融+IT「フィンテック」が加速 静岡銀はベンチャー出資

 国内の銀行で、IT(情報技術)と金融を融合させる「フィンテック」を強化する動きが相次いでいる。地方銀行の静岡銀行は25日、SBIホールディングスなどと共同で家計簿ソフト大手のマネーフォワード(東京)に約10億円出資すると発表した。地銀が大手銀行に先駆けてITベンチャーに出資する試みだ。大手銀行もフィンテック強化に一斉に動いており、金融界の新たな潮流になっている。

 マネーフォワードは、フィンテックを代表するITベンチャー。スマートフォン(スマホ)の家計簿アプリで約220万人の顧客を抱え、中小企業などの会計事務を支援するクラウド会計ソフトで40万以上の事業所と取引している。

 出資を通じて静岡銀は顧客に対し、こうした利便性の高いサービスを提供できるほか、マネーフォワードから静岡県外の顧客を紹介してもらえる。静岡銀は昨年、ネット証券を手がけるマネックスグループに資本参加。フィンテックを生かして顧客基盤を全国に広げるもくろみだ。

 メガバンクもフィンテック強化に向け資本提携先の探索に余念がない。三菱東京UFJ銀行は、6月にフィンテックに特化したコンテストを開催。自らのサービス向上のために有望なベンチャーを発掘しようという異例の試みで、将来的には決済サービスなどで共同事業を検討する。

 三井住友銀行は8月、米シリコンバレーでベンチャー企業の支援を手がけるプラグアンドプレイと提携し、優れた技術を持つベンチャー企業の開拓に乗り出した。みずほ銀行もソフトバンクの人型ロボット「ペッパー」を計5店舗に導入し、顧客サービスを高度化させる。

 フィンテックは、欧米で先行し、手数料が格安の国際送金など新サービスが次々と誕生している。

 邦銀が出遅れていた背景には金融持ち株会社の子会社規制もある。現在、傘下の子会社は銀行や証券などの金融業に限られているが、金融庁が規制緩和に着手した。銀行業に関連したIT企業を子会社にできるようになれば、メガバンクのITベンチャーへの出資も一気に加速しそうだ。

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