アベノミクス成功へ…国内志向企業に税優遇を 中国を見切る動機は十分にある:イザ!

2014.12.21 11:10

アベノミクス成功へ…国内志向企業に税優遇を 中国を見切る動機は十分にある

 【お金は知っている】

 安倍晋三首相は「アベノミクス」を衆院総選挙の争点に据えて勝利したが、浮かれてはいられない。アベノミクス成功に向け、今後残された時間的ゆとりはさほど長くないからだ。

 2017年4月の消費税率10%実施は待ったなしだ。首相はそれまでに増税に十分堪えうるだけの、力強い成長軌道に日本経済を乗せ、15年デフレから完全に抜け出さなければならない。通常策では無理だ。

 日銀の黒田東彦(はるひこ)総裁は10月末に異次元緩和追加に踏み切った。安倍首相周辺では、「黒田さんが首相に消費税増税しても大丈夫と言ってミスリードしたことへのおわび。日銀にはさらなる追加策を期待できる」とみる。

 しかし、異次元緩和=株高による実体経済へのかさ上げ効果は限られる。過去のデータから試算すると、株価が2倍に上がった場合、米国では実質成長率が15%程度増えてきたが、日本は5%程度の上昇にとどまっている。

 消費税率8%の重圧はこれからもかかり続ける。挽回策は賃上げである。首相は経済界や連合への賃上げを前にも増して強く求めるだろう。しかし、日銀が発表した12月の全国企業短期経済観測調査(短観)によると、3カ月後の景気先行き見通しは大企業の製造業と非製造業、中小の製造業と非製造業のいずれもが小幅な悪化を見込んでいる。円安は輸出型業種を潤すが、逆に内需型企業はコストアップによる収益減を恐れている。今後来春にかけて産業界全体に賃上げムードが広がる情勢とは言いがたい。

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