「アップル」戦略に影響も…島野製作所が提訴

 これに対し島野は、すでに販売したピンの値下げを不当に要求してきたもので下請けに対する優越的地位の乱用に当たり、独禁法違反だと主張している。島野は今年8月、提訴に踏み切った。特許権侵害やリベートなどによる損害賠償と、対象となるアダプターやそれを同梱(どうこん)するパソコンの日本での販売差し止めを求めた。同社幹部は「物事には越えてはならない一線がある。約束を破ったことや不当なリベートといったアンフェアにはどうしてもノーと言わなければならない」と話す。和解はせず、あくまで自社の主張を伝えていく考えだ。欧米での提訴も検討している。

 アップル側は、この訴訟についてコメントしていない。両社の取引が始まった後の07年、アップルは初代スマートフォン「iPhone(アイフォーン)」を発売。スマホで世界を大きく変えた同社の業容は急拡大し、11年には時価総額で米エクソンモービルを抜き去り首位に立った。今月4日の終値ベースでは6773億ドル。1ドル=120円で計算すると約81兆2760億円でトヨタ自動車の3倍超だ。

 島野は「アップルは取引開始当時とは変わってしまった。企業は大きくなったが、人や内部管理体制、コンプライアンス(法令順守)が追いついていないのではないか」(幹部)と指摘する。同社側の溝田宗司弁護士は「取引にはルールがある。そのルールが破られたとき、どう対処すべきか。これは“技術立国”日本を支えるデバイスメーカーに共通する問題だ」と話している。(高橋寛次)

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