【経済裏読み】過熱する「超高速取引」は究極の錬金術か? システム負荷懸念も

 ■違法なら摘発

 ただならぬ事態に当局もようやく重い腰を上げた。

 HFTは一般投資家に先駆けて情報を収集、分析するが、こうした仕組みが「違法」と解釈されれば規制、摘発の対象になる。

 ホルダー米司法長官は今年4月、HFTについて、「インサイダー取引にあたるか捜査している」と議会の公聴会で明かした。ニューヨークのシュナイダーマン司法長官も「市場の信頼をぶちこわした」と業者らをやり玉に挙げる。商品先物取引委員会(CFTC)も、業者に取引の記録を求めるなど規制強化に乗り出す構えを示している。

 ただ、HFTは10年ほど前までは米株式市場の取引全体の2割程度にとどまっていたが、今では約5割を占めるまでに肥大化した。規制に踏み込み過ぎれば、「市場の機能を阻害する」(アナリスト)と危ぶむ見方も一方にはある。ITの進歩で取引が高度化、効率化したことは確かで、機関投資家や個人投資家の資金を預かるヘッジファンドがより高い運用益を求める以上、過度な規制は時代に逆行するとの声も聞かれる。

 それでも、HFTに縁遠い個人投資家との間で、「機会の不平等」が広がっているのは確かだ。米ABCテレビも、「実体経済とあまりにかけ離れた取引は許容されるべきでない」とする金融関係者の意見などを紹介している。

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