【企業攻防】「統一要求が必要だった」 自動車春闘に不満の声も:イザ!

2014.3.23 09:35

【企業攻防】「統一要求が必要だった」 自動車春闘に不満の声も

 自動車大手各社の平成26年春闘は、ベースアップ(ベア)に相当する賃金改善の全社実施で決着した。ただ、その結果を見ると満額回答から要求額の約4分の1まで、各社の判断は大きくばらついた。政府主導の追い風を受けた春闘だけに、明暗を分けた組合側からは嘆き節も聞こえる。最大手・トヨタ自動車の減額判断が水を差したとの指摘もあるが、業界内では「統一要求」で具体的なベアの金額を掲げなかった自動車総連の対応を“敗因”とする声も少なくない。

 ■トヨタ慎重

 春闘の一斉回答終了後、ある日産自動車幹部はこう言って苦笑した。

 「うちだけ格好付けた形になったな」

 日産自動車は、集中回答日の1週間前の5日、「一日も早くみなさんの期待に応え、気持ちを一つにしてやっていきたい」と労組側に満額回答する方針を早々と伝えた。

 日産は今期、中間決算で業績予想の下方修正を余儀なくされるなど、自動車大手では出遅れ感が目立つ。だが、「安倍晋三政権は(自動車業界が求めた)円安の流れを作ってくれただけに、政府の要請には応えたい」と満額回答を決定した。

 日産の判断は、すぐにトヨタにも伝わった。だが、トヨタは慎重だった。

 豊田章男社長は、「組合員の努力と頑張りになんとか応えたい。ただ、仕入れ先、販売店のみなさんや、(工場閉鎖する)豪州をはじめ、ともに頑張っている世界中の仲間や世間からどう受け止められるか」として、満額回答を避けた。

 トヨタ自身は十分な賃上げ余力があるが、突出すれば裾野の広い取引先を含めた格差が広がる。さらに、「労使交渉に政府が介入する異常事態にくさびを打つ」(関係者)と、来年の春闘交渉を見据えた判断もあったとされる。

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