「トイレ」がビルを蘇らせる“TOTOマジック”入居者急増させた癒やしの空間:イザ!

2013.4.13 12:53

「トイレ」がビルを蘇らせる“TOTOマジック”入居者急増させた癒やしの空間

■心を落ち着かす“癒し”の空間

 そんなトイレ改修のポイントは“癒し”。今どきのトイレは、心を落ち着けてリフレッシュする場に設計されているという。

 温水洗浄便座やエチケット用の擬音装置はもちろんのこと、最近増えているのが「ロック機能付きの個人用収納ケース」。男性の目に触れず、持ち運ぶ手間も省けるため、メーク用品や歯磨きセットをトイレ内にしまう女性が多い。ビルの訪問者とトイレを共用する店舗の場合、鍵付きの収納ケースは防犯上も安心と好評だ。

 また、制服の廃止とともに、更衣室をなくす企業が増える中、ストッキングの履き替えなどにトイレを利用する女性が増加。こうした社会変化を受け、TOTOではトイレ内に設置する折りたたみ式の着替え台も商品化している。

 NTTグループの総合不動産会社、NTT都市開発西日本BS(大阪市)が管理・運営する「トレードピア淀屋橋」(同)も3月に全館のトイレを改修したばかりのオフィスビルのひとつだ。

■トイレ改修で入居者が急増

 地下鉄御堂筋線「淀屋橋駅」から徒歩4分という好立地のビルだが、築約40年とやや老朽化している。テナントを逃さないためにも不動産価値の向上を図る時期に来ていた。

 普段からトイレへの不満があったというこのビルでは、暗証番号で開閉する収納ケースや化粧直しのためのパウダーコーナーなどを新設。また、肌が美しく見える照明や木目調の壁を取り入れるなど、女性好みの空間に一新した。

 ビル2階の大正銀行に勤める30代の女性社員は「以前は歯磨きや化粧直しをする社員がたまり、落ち着かない雰囲気でしたが、その混雑がなくなった。照明も明るくなって気持ちよく身だしなみが整えられる」と喜ぶ。

 大正銀以外のテナント企業の評判も良く、トイレの改修後、新たに数件の入居が決まるなど効果も出始めた。バブル期に建てられた大量のビルが老朽化しつつある中、仕事とは一見、無関係と思われるトイレが企業を呼び込む改修の“切り札”となりそうだ。

(田村慶子)

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